MAZDA zoom-zoom スタジアム広島 建設の記録
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(以下マツダスタジアム)の建設の記録を紹介します。マツダスタジアムは正式な名称を「広島市民球場」といい、
老朽化した旧広島市民球場(中区)に代わり広島市が主体となり2007年11月に着工、2009年3月に完成しました。
左翼101m、中堅122m、右翼100mでフィールドの広さ・スタンドの形状ともに左右非対称なのが特徴です。
12球団の本拠地で唯一の内外野総天然芝を誇ります。
グラウンドの地下には周辺地域の洪水対策として雨水貯留地が設けられています。
貯留地に貯まった雨水はトイレの洗浄や天然芝への散水に再利用されます。
2008年2月ごろまでこの工事と基礎工事が続きました。
地上部の工事にはプレキャストコンクリート工法が用いられ、およそ1年半という工期が実現しました。 地上部の工事が始まってから間もなく球場の南東(ライトスタンド後方)にプレハブ2階建ての見学スペースが設置されました。
中は完成予想図のほか、忠実に再現された1/500の模型が展示されていました。
2010年春には内野スタンドを覆う屋根に、国内の野球場では初めて太陽光パネルが設置され稼働を始めました。
球場全体で使う年間の電力の4.3%(すべて照明に使った場合33試合分)を補うことができます。
2009年1月
全景と球場正面。正面入場ゲートからコンコースへ登る階段が形になりました。
12月に姿を現した広島駅方面からのスロープはこのような状態。
見学スペースから。内野スタンドライト寄りは完成間近です。パフォーマンスシートもかなり進みました。
4枚目の写真は内野スタンドのライト寄り部分を球場南側、大州通りから写したもの。
球場の後方から。レフトスタンドの後ろに防護ネットを張るための支柱が建ちました。
万が一場外ホームランが脇を走るJR線までいかないように、結構な高さのネットが張られます。
またビジターパフォーマンスの最上部には、こちらも同じくジェット風船が線路に落下しないようネットを設置されます。
4枚目は内野スタンド一塁側。
2009年2月
全景と駅からの大型スロープの建設状況です。スロープがかなり形になりました。
スロープが跨ぐ道路の西側のエレベーターも見えるようになりました。
正面玄関付近。正面1階と2階の窓ガラスの部分にはグッズショップや広島ではおなじみ「むすびのむさし マツダスタジアム店」が入ります。
見学スペースから。内装以外はほぼ完成しています!
3枚目はスコアボードの後方から。茶色の建物は地下の雨水貯留地の管理棟です。
2009年2月 番外編
2009年2月4日。建設も大詰めを迎えた新広島市民球場で初めて、照度・角度などの調節のため照明に灯が入りました。その時の様子です。
全景と球場後方から。広島駅から歩いてくる道の途中からあまりの明るさに驚きました。
同時にここまで形になってようやく輝きだしたスタジアムに感動しましたね。
正面玄関付近と一塁側スタンド。
ビジターパフォーマンスとレフトスタンド。
旧広島市民球場のような白色とオレンジ色のライトを混ぜる「カクテル光線」とは異なり、白一色の照明になっています。
これにより選手の顔がはっきり見えるなどのメリットがあるそうです。
そして明るさのテストの結果、基準を上回り明るすぎると判断されたため実際の試合ではこれより出力を若干落として稼働しています。
2009年3月
全景と正面玄関。
3月に入ってついに「Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島」という"愛称"が決まりました。
この球場の正式名称は「広島市民球場」ですが、命名権を自動車会社のマツダが取得しこのような愛称となりました。
テレビなどのメディアでは"愛称"の"略称"である「マツダスタジアム」と呼ばれます。
大型スロープの工事も大詰めです。
スコアボードの裏側は命名権取得企業に獲得権が与えられる契約になっていました。
東京方面から新幹線で広島を訪れると非常によく目立ちます。
また4月の開幕を前にいよいよ選手のグラウンドでの練習も始まりました。(3枚目)
分かりにくい写真ですが、背番号9、緒方外野手(当時)が見えました。
周辺の整備のため見学スペースは2月の末で閉鎖されました。
だいたい同じ位置からライトパフォーマンスシートと、大州通りから一塁側スタンド。
マツダスタジアムの建設記録は以上です。
2007年11月に着工したスタジアムは2009年3月28日に完成しました。
美しい内外野の天然芝や左右非対称のスタンドなど、多くの選手やファンから褒めていただける球場になりました。